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山行日 平成17年11月15日(火) 山では紅葉の季節も瞬く間に過ぎ、いよいよ冬の到来だ。
今回はスキー場のイメージが色濃い志賀高原へ、軽いトレッキングと温泉の旅だ! 火山地形の山々が変化に富む志賀高原のトレッキングコースは実に豊富で、どれも魅力的なコースばかり。
雪化粧したばかりの山はツリーのようにキラキラと輝き、森の中に忽然と現れる池は神秘的だった。
志賀高原ってこんなに素敵なところだったんだ!!

天 候 雪のち曇り時々晴れ 
人 数 二人
行 程 硯川→渋池→四十八池→志賀山→硯川(約4時間)
アクセス 長野道中野ICより湯田中・渋温泉方面へ
志賀高原に向って南下し、標識”横手山””草津”方面へ進路をとる。前山スキー場前の駐車場に駐車

志賀高原といえば、スキーのメッカ。私も青春時代には夜行バスに乗ってやってきて、あちこちの山肌に張り付くスキー場の斜面を片っ端から滑ったものだ。あのころは山歩きなどしなかったから、スキーシーズン以外の志賀など眼中になかった。ここにきて志賀高原が頭の片隅をよぎるようになったのは、温泉。この辺りは白根山の影響のためか、北は湯田中・渋温泉、南は万座・草津温泉など横綱級の温泉が点在している。実は今回の旅の目的も、志賀高原の西側に位置する奥山田温泉郷だった。温泉は決まり、さてどこで遊ぼうか・・・ということで、志賀高原のトレッキング情報を得たというわけだ。  http://yamabito.com/_field/mt/index.html
このサイトは地図も解説もとてもわかりやすく、そして”行ってみたい!”と思わせる構成がすばらしい。今回は池巡りと志賀山登山に決定!! さぁ〜どんな風景が待っているのか!

浮島が特徴的な渋池 静寂の世界
前夜は熊の湯温泉近くでキャンプ。雨はふってこないが、あたりは一面ガス。硫黄の臭いの漂う中のキャンプは初めてだ。鶏と春菊の鍋、焼肉、焼き鳥・・・肉ばかりでお腹が満腹!そろそろ斬新なBBQメニューを考案しなければ・・・。
朝、パラパラとテントを叩く音に飛び起きて外を覗くと雪。私にとっての初雪だ。今のところ道路は大丈夫だが、ちょっとノーマルタイヤでウロウロするのは心配だなぁ・・・と一旦下界におりてチェーン購入に走るが、ちょっとまてよ??・・・・チェーン積んであるじゃん!!
うっかり者の私達は気を取り直して、再び志賀高原へ。
前山スキー場の駐車スペースに車を止め、ここからリフト山頂駅へ登っていく。ガイドには山を巻くように登る(スキー場の中級コースにあたる)ように記述がしてあったが、面倒臭いのでリフトに沿って直登した。距離は短く歩きやすい草場だが、ふくらはぎが伸びきってしまうくらいの急斜面。前山山頂までくるとすっかり銀世界で、久しぶりに踏みしめる雪の感触が楽しい。前山を少し下り、道幅の広い整備された登山道を少し歩くと右手に
渋池が静かに佇む。薄く張った氷が静寂の世界をいっそう際立たせ、かすかな変化や気配を敏感に感じるようになる。動物の感覚とはこういうものなのかもしれない。
しっかりした登山道には比較的新しい踏み後がいくつも残り、精神的に安心感のあるコースだ。
渋池前の登山道 森への玄関 霜をつけたクモの巣がまるでツリーの飾りのよう  四十八池の湿原地帯 

ダケカンバやシラビソ、コメツガなどの森の小道歩きがしばらくつづく。ピンと張り詰めた空気が心地よく、遠くの小鳥のさえずりが心を癒す。周りの木々は白い雪の衣装をかぶり、枝には輝くクモの糸のモールを飾っている。まるで童話の世界。
そんな中を30分ほど歩くと(途中、志賀山との分岐あり)、四十八池の湿地帯が左手に見えてくる。分岐を真っ直ぐ進めば大沼池だ。志賀高原で一番大きな大沼池も見てみたいが、同じ道を往復するのはつまらないので、志賀山コースをとることにする。四十八池は大小さまざまな池が点在する志賀高原の代表する湿原帯である。
湿地帯の中を木道に沿って歩くと広い雪原の中にグレーの池がいくつも見えてくる。キョロキョロして歩いていると、雪の積もった木道は雪の層ごと滑って足をとられる。こんなところで転んだら・・・想像するだけで体が凍りそうだ。
湿原帯を抜けると小さな鳥居をくぐり志賀山への登りが始まる。
痩せ尾根をしばらく急登し、汗をかきだしたころ、裏志賀山との分岐。眼下には先程通った四十八池が箱庭のように見える。ここから志賀山との鞍部に向って少し下っていくと、今度は木立の間から真っ白な池が見えた。まるでヨーロッパのお城でも出てきそうな神秘的な雰囲気だ。雲の切れ間から陽が差し込み森の様子も自在に変化する。
一番神秘的だった、志賀山の懐にひっそりと佇む”小池” 作り物?ディスプレイ? 霧氷のついた枝と葉
尾根と谷で成り立っている山があたりまえの私にとっては、山腹に現れる池というのはとても不思議だ。しかも高度を上げるとまた別の池が一段高いことろに存在している。スキー場をあちこち移動していた時も、志賀高原全体の地理が今一つ分からなかったのは、こういった”山と谷”がはっきりしていない小さな起伏の連続だからかもしれない。
・・・ということは、たぶん迷いやすいのだろう。ひとたび迷い込めば、登るうちにどの池を見たのかわからなくなるのは必須な気がする。
高度を上げると木々には霜がびっしりと張り付き、まるで人工のディスプレイのようだ。痩せ尾根を急登すると志賀山山頂。チョコレートとウィスキーで登頂記念を祝いながら一息ついた。だんだんとガスも晴れて、まぶしい青空と一緒に木立の隙間から向こうの山並みも見え出した。西陽が雪面を照らしてあたりの景色はいよいよ輝きを増し、どこまでもロマンチックな風景が広がる。
山頂を下ると、また別の池が。耳を澄ますと、カサカサと何か動物が通るような音がするが、姿は見えない。
志賀山山頂から覗く山並み
 
志賀山方面から望む鉢山 うっすらと雪化粧した山々が美しい

青空が広がり氷でキラキラと輝く木々
雪と泥が混じった悪路を転ばないように下り、木道をしばらく歩くと、分岐点へと戻る。光の差し込む森の道は来た時とはまた違った表情をしている。上を見上げると真青な空に、白い結晶のようなダケカンバの木がまるで絵画のようだ。

迷路に迷い込んだようなこの神秘的な森は、この雪景色のせいだろうか。春や夏はいったいどんな顔を見せてくれるのだろう。次はいつ来られるだろうか・・・。そんなことを考えながら、渋池でちょっと一息。 チュンチュンと控えめな鳴き声の小鳥が何十羽も一本の木に集まってきた。たくさんいるはずなのに小鳥の姿が見えない。まるで魔法だ。
こんな神秘な世界に常に遭遇でき、酔いしれることができるのは、雪山の不思議な魅力だと思った。 (報告者:A)
アウトドアクラブ