■ さて、どうトライするか  
私はこの企画にトライしようと思ったものの、さすがに名古屋から別府へ頻繁に出かけるわけにはいかない。
それに企画に参加するからには、名人達成は成し遂げたいし、私なりの参加スタンスもきちんと考えたい。

そこで、

 ・ 2回の渡別で名人になること。
 ・ 88湯は別府八湯から選ぶこと。(温泉郷が偏らないこと)
 ・ 場所は自分で探すこと。
 ・ 入った温泉は記録してフィードバックすること。

これからのことを念頭に計画を立てることにした。

計 画
当初は金曜日の夕便で別府に入り、その夜、土・日を利用した2回コースを考えた。これだと1回48湯で、不可能ではないような気もした。(今考えると無理)
前述したように、この企画では7段(56湯)以上の段位取得者には施設の入浴無料・半額チケット(2万円相当)が進呈されることになっており、これには当然のことながら段位申請手続きが必要となる。
つまり、2度の渡別で名人を達成しようとした場合、1回目で7段まで取得しないと、このチケットを利用できないことになるのだ。
温泉巡りをしていると、この入浴料は馬鹿にならない。100円の共同湯でも50箇所まわれば・・・。
2万円相当の割引チケットは非常に魅力的であったので、私は1回目で7段取得(56箇所)を目標として、初回は3日間の日程とした。
しかし、これもかなりハードである。1日のノルマは平均して19箇所であり、私の経験上では驚異的な数字である。
めいっぱい時間をとるために、別府着7:00の夜行バスを利用することにした。
浜脇温泉郷 東町温泉

問題は現地での移動手段である。
温泉道の130湯は密集している。地図を見ても、実際に行っても、その数の多さには驚く。
私の住む町に置き換えてみるとどうだろう、タバコの自販機と同じくらい存在するのではないだろうか。とにかく歩けば温泉。
ということで、レンタカーでは効率が悪すぎる。しかし、一つの温泉郷は密集していても、八つの温泉郷は数キロ離れているので徒歩も厳しい。
思いついたのがレンタサイクル。別府は海と山に囲まれた街なので坂が多いが、足には自信があったのでレンタサイクルショップをネットで探した。すると、素晴らしいことに別府駅で電動自転車のレンタルをしていたのだ。名付けて”楽チャリ”、頼もしいネーミングに期待が高まる。
現地での移動手段も決まり、次はルート計画である。場所、営業時間、定休日をチェックしてコース取りを考える。これがまた楽しい作業。無駄のないよう、また、たくさん入浴するので少しでも変化に富むよう工夫する。悩んだのが、7段取得後にもらえる入浴券がどの施設で利用できるかだ。その施設を残しておかないと意味がない。必然的に共同湯から先行することになった。
亀川温泉郷 四の湯
素朴な共同湯の前で”楽チャリ”と

登山と違って、計画さえ立てれば温泉巡りに必要なものは特にない。記録用の手帳とタオル1本、カメラ、小銭、それに加えて今回の場合は温泉本とスパポート(パスポートをもじったスタンプ帳)を持てば良い。
温泉本の地図は結果的にかなり正確であることがわかったが、行く前は不安だったので、詳細地図をプリントして準備した。
今は欲しい情報がインターネットで簡単に入手できるので、本当に便利である。
いざ、出発!