2008年4月5日(土)
in
out
温泉郷
名称
所  感
1 7:05
7:20
別府
海門寺温泉
7:00丁度に北浜バス亭を降りる。11時間の長旅であったが疲れなし。朝日が眩しく清々しい気持で湯巡りに挑む。レンタサイクルの貸出時間は9時のため、それまでは市街を歩いて廻る。海門寺温泉は第1湯目に相応しい鄙びた共同湯で心が踊った。浴室が半地下にある造り。源泉は浴室角にあり、そこから浴槽内に流れ込む方式。透明、仄かな硫黄臭? 源泉口は白い析出物あり。HCO3-475.9 52.1℃
2 7:25
7:40
別府
春日温泉
三角屋根の簡素な共同湯。水色のペンキで塗られた外壁は、小学校のトイレを思い出す。透明、微かな温泉臭。片隅の源泉湯口から浴槽内に流れ込む方式。源泉口の縦型パイプに杭を抜き差しして温度などを調整する。スベスベ感ありの気持のよいお湯。小屋の裏の源泉タンクでは硫黄臭あり。分析表なし。
3 7:45
8:03
別府
野口白湯温泉
線路を山側に越えて野口温泉へ行く。街の寄合い所のような雰囲気で、表の黒板には本日の集会の連絡事項などが書かれていた。脱衣所と浴室がセパレートされている。透明、無味、何となく温泉臭。
4 8:15
8:30
別府
田の湯温泉
田の湯は予定になかったが、時間があるので行ってみる。白壁が映える比較的新しい共同湯。浴室も浴槽も広い。NaMgCa-HCO3泉 総計1040mg スベスベ度強く、透明、無臭。片隅の源泉は微金気味。床が褐色に染まりつつあり好きなタイプのお湯。しかし朝からどの共同湯も先客がおり、地元民の生活の一部であることを実感する。
5 8:35
8:56
別府
不老泉
線路を再び海側へ越えてすぐ。コンクリート4階建ての古い公民館1階。ロビーも広く、柱も太く重厚な感じ。広い脱衣所と浴室が特徴。全体的にダンスホールのような雰囲気である。ピンク色のモザイクタイルが可愛らしく、アーチ型の浴槽といい、レトロ感たっぷりだ。田の湯と同系の成分で少しスベスベ、無味、無臭、透明。源泉口は蓋がしてあり触れない。お湯に個性はなかったが、雰囲気が独特で印象に残った。また番台のおばちゃんがとてもお話好きで、心が和む。
別府駅に行きみどりの窓口でレンタサイクルの申し込みをする。電動自転車は乗ったことがないが、”楽チャリ”というネーミングに期待する。手続き後、モーニングをとりながら、鉄輪での巡り方をおさらいし、出発。丁度4/1〜別府湯祭りを開催中で、今日は別府公園で温泉道名人の表彰式も行われる。その別府公園を通って鉄輪に向かったが途中道を間違えて、別府大学の山越えコースをとってしまった。しかし楽チャリは素晴らしい!山越えも何のその、快適至極である。
6 9:55
10:32
鉄輪
ひょうたん温泉
ひょうたん湯は日帰り専門の施設で、お風呂以外に砂湯などもある。中庭には地獄蒸しや温泉吸引などもあり楽しい。 浴室は広く、いくつも浴槽がある。まずは木槽から・・・微磯臭、塩味。豪快な打たせ湯は、酸味、塩味、金気味があり個性的。丁度サンラータンスープのようで美味。ひょうたん型の浴槽は透明、無臭、塩味。露天の岩風呂は雰囲気は良いが個性無し、塩素臭? 蒸し風呂(サウナ)は危険な熱さで飛び出る。内湯に戻り丸いコンクリート浴槽は特徴なし。Na-1073、Cl-1585の食塩泉 Ph3.32 中庭の飲泉用のお湯は金気味がなく、梅昆布茶のような旨みがあり美味しくたくさん飲む。
7 10:35
10:53
鉄輪
地獄原温泉
ひょうたん湯近くの共同湯。86.4℃ Ph4.4 総計3507mgのNa-Cl泉 湯小屋正面でお賽銭を入れて旅の無事を祈る。ひょうたん湯に似たお湯だが微白濁、酸味、塩味で美味。源泉湯口は白い析出物あり。 Fe-2.1,Al-3,CO2-102 
8 11:00
11:18
鉄輪
鉄輪すじ湯
簡素な共同湯、向いの空き地に噴泉塔あり。また空き地の片隅に源泉が流れ出ていたが激熱。浴室片隅の源泉から浴室内に流れ込む方式だが、激熱でほとんど源泉は流れておらず鮮度は感じない。透明、金気臭。分析表なし
9 11:19
11:43
鉄輪
熱の湯
コンクリート2階建てのアパートのような共同湯。無料とあってか、脱衣所は私物などで雑然としている。Ph5.2 Na-116,K-152,Cl-1736,SO4-412 総計4181mgのNa-Cl泉 何となく白濁しているように見える。源泉激熱、冷まして飲むと微金気味。薬臭あり(塩素?)。弱スベスベあり。
10 11:50
12:07
鉄輪
鉄輪むし湯
鉄輪むし湯は何度かTVで紹介されていた。受付で説明を受けて、女湯へ行くと、中で別の係りの人が待機していてむし湯の入り方の説明を受ける。扉をあけて小さな穴をくぐると6畳ほどの空間が広がる。小さな明かり窓が天井にあるが、入室した瞬間は暗くてよく見えない。石菖が敷き詰められた床に横たわるが、熱くて息苦しい。次第に末端が熱くなり、10分の合図を待たずに怖くなって外へ出た。内湯は補助的にあるようで、素っ気無い浴室に浴槽が一つ。総計4391mgのNa-Cl泉である。循環のためか鮮度なく、微かに油臭? 
11 12:08
12:25
鉄輪
渋の湯
蒸し湯のすぐ上にある共同湯。本日11湯目にして初めての貸切だった。細長いコンクリート浴槽は、ミニ竹製冷却装置が備わっており、ポトポトと湯が滴り落ちている。金気臭、薄塩スープ味、極弱く白濁しているように見える。総計4402mg、Na-Cl泉 Br-5.2 貸切のお湯を満喫した。
12 12:25
12:48
鉄輪
温泉閣
渋の湯の北隣のお寺の奥にあるお宿であるが、玄関はここでよいのか迷いながら声をかける。作務衣を着た男性が応対して下さり、書斎のような空間を通って奥へ入ると廊下の右側に貸切露天風呂があった。左右対称で二つある。まだお湯が溜まっていないが、どちらでもどうぞ、と言われる。狭いながら植え込みなどのセンスが良く感じの良い素敵な露天風呂だ。Ph5.2 96.2度 のNa-Cl泉である。 Na-1135,K-163.7,Fe-0.5,Cl-1721,SO4-341など、総計3701mg 下の渋の湯と同じ、おいしい昆布茶のような塩味と僅かな薬味。スベスベ感も少しある。
13 12:58
13:13
鉄輪
上人湯
小さいながら瓦屋根に白壁の外観が目立つ共同湯。向いの喫茶店で入浴札を購入。小さな浴室は脱衣所、浴室一体型で、四角い浴槽の湯は極僅かに白濁か。薄いスープのような塩味と微かに油臭?
脱線するが、別府の街にはネコが多い。半ノラであると思うが、人懐っこくかわいい。ここ上人湯の出入り口にも黒ネコが日向ぼっこをしていた。
14 13:20
13:45
鉄輪
神和苑
海地獄とかまど地獄の間に位置する神和苑は、広い敷地に木造の立派な母屋と離れが点在する旅館である。品のある母屋からは別府の町並みが見渡せ、お料理もおいしいく、仲居さんもベテランさんが多く安心感があり、私は両親を連れて、2度宿泊している。 しかし何といっても、このお宿のウリはお湯である。普段、泉質に興味のない人でも、ここのお湯を見れば、興味を引くに違いない。源泉は透明であるが、時間の経過とともに青色透明に変化し、最後には白濁するのである。二つの内湯と露天にそれぞれ時間差で源泉を投入するので、違った色のお湯が楽しめるようになっている。今回は内湯の一つが青色微白濁で一番美しく神秘的であった。露天はすでに完全な白濁湯となっていたが、水色白濁の湯もそれはそれで美しく満足した。
対象外 13:50
14:10
鉄輪
地獄の湯
かまど地獄の入場者には無料で開放されている湯があることを知り、スタンプラリーには無関係だが、行ってみる。修学旅行以来の来訪であったので、まずは園内を見学。薄い小豆色の粘土からプクプクと沸く地獄や、ブルー白濁の地獄などがある。飲泉コーナーもあり、口に含むとおいしい塩味である。肝心のお風呂であるが、出入口のトイレの裏にひっそりと湯小屋が建っており、受付で入浴を申し出ると鍵を貸してくれた。自宅の浴室のような造りで黒いタイルの浴槽には青みがかった白濁のお湯が張られている。しかし溜め湯であるため全体的に淀んだ感じ。無臭。あまり感動はなかった。
15 14:18
14:55
鉄輪
おにやまホテル
玄関にはお迎えのスタッフが数人並び、ふかふかの絨毯と立派なロビーの大型ホテル。浴室は地下にあり脱衣所はさほど広くないが、内湯は天井も高く広い。浴槽が一つあり、綺麗な透明なお湯は特に個性なし。露天は岩が褐色に染まった感じのよい屋根付き岩風呂であるが、全体的に澱んだ感じで鮮度に劣る。さらに階段を下ると打たせ湯のある”滝の湯”と命名された湯船があった。中央の岩から極微量の源泉がチョロチョロ出ているが、激熱のようで、その岩の周りを柵で囲って近寄れないようになっている。手を伸ばして源泉近くをすくってみる。微かに土類金属系の臭い?源泉近くの岩は黄土色に染まっている。再度、内湯にもどって隅の源泉を飲むとはっきりと薬味を感じて嬉しくなった。 Na-1170,K-157,Cl-1778,SO4-343 総計4096mg 82.6℃ Ph4.5
分析表のほかに、温泉Gメンなる温泉通の調査報告書が掲示されており、自分の記録後にこれを見るのが楽しみなのだが・・・
Gメンによれば油臭はゼロ、金気味・香りが僅かにあり、明確な塩味、鉄輪臭とある。塩味??と不思議になり再度確かめに言ったが、私にはよく分からなかった。また、温泉通の人達が表現する鉄輪臭というのはどういう臭いのことなのか・・・・?旅の終った今でもわからない。
休みなく温泉巡りをしていたので、こちらのロビーで一息入れた。
16 15:05
15:28
鉄輪
湯元旅館かなわ荘
ホテル大石に寄ったが、お風呂が故障中とのことで入浴拒否。明日、明後日も駄目とのことで、今回はパス。次にかなわ荘を目指すが、看板は見えているのに宿への入り口が分からず周辺をウロウロする。
瓦屋根に白壁の外観で、何となく上人湯を思い出す。玄関を入ると磨かれた板間で雰囲気は民芸調だ。それに対しストライプのスーツを着たキャリアウーマン風の女将さんも印象的。外観の割には館内は広く、しかもお風呂が多彩で驚き。砂湯、蒸し湯?、男女別の内湯が二箇所、露天が各1、貸切風呂が2箇所もある。薄黄色透明、微塩味、無臭 Na-86,K-103,NH-1,Cl-1218 総計3011mg Na-Cl泉 鉄輪の中心にありながら、少し路地に入っているためか静かで、宿全体の雰囲気も良く、泊まるには良いと思った。
17 15:32
15:47
鉄輪
谷の湯
かなわ荘より少しだけ南西に坂を下ると、廃屋が数件ならび少々異様な雰囲気となる。坂の途中に二階建てのアパートが立ち、その立地のため1階部分は地下になっており、そこが谷の湯だった。鄙び系共同湯である。2階の自宅?で入浴料を払って、階段を下りていく。小さな共同湯で簡素。微塩味、無臭、加水あり。分析表なし。周辺の環境のせいもあるが、イメージ的に暗い感じの共同湯だったので、押印したスタンプが笑顔のおばちゃんマークだったことに妙な違和感を覚えてしまった。
18 15:53
16:15
鉄輪
夢たまて筥
自転車は17時までに返却しなくてはいけない。鉄輪であと2箇所程廻りたかったが無理だろう。どこに絞るか迷ったあげく、通り道である夢たまて筥にした。ここは日帰り施設であるためか、若者で賑わっていた。内湯はジャグジー、寝湯、ヒノキ湯などがあり、浴槽内の段差でセパレートされているため、供給口は同じであると思う。薄塩味、無臭、透明。外湯は箱蒸しと打たせ湯付きの露天風呂一つ。料金を支払えば砂湯もある。打たせ湯は酸味を感じた。スベスベ感あり。Na-1112,Fe-10.3,Cl-1745, Br-10.3は感じない。
19 別府
ホテルアーサー
鉄輪から別府へはずっと下りなので楽チン。明日の行動も考えて道を確認しながら帰る。結構大きな交差店でも信号名がないので、迷うことが多いのだ。
自転車を返して、一旦チェックイン。このアーサーもスタンプラリーの対象施設である。掛け流しの良いお湯だということで、楽しみにしていた。早速3階の岩風呂へ。ビーナスの持つ壷から投入されるお湯は微かな硫黄臭と、土類系の金気臭、味。一日温泉を廻っているというのに、洗髪などしてゆっくり湯船に浸かると、気持もサッパリして”あ〜気持がよい!”と思ってしまうから不思議なものだ。
温泉祭りの最中で、毎日イベントが開催されているが、今晩は別府公園で千灯明なるイベントがあるという。せっかくなので、別府公園方面のお湯を廻りながら出かけることにする。その前に夕食だ。何しろ昼食も食べずに廻っていたのでお腹がすいた。温泉本に紹介されていた”うれしや”さんが丁度宿泊ホテルの側だったので行って見る。大衆食堂風の居酒屋さんで、ショーケースのおばんざいをセルフでとっても良いし、壁にびっしり貼られたメニューを注文しても良いという。まずはショーケースからほうれん草の白和えをとってつまむ。美味。温泉本では”ちゃんぽん”を勧めていたので、素直にちゃんぽんを注文する。
実は私はちゃんぽんを美味しいと思ったことがなかったので、ちゃんぽん革命を期待して待つ。お客さんは地元民から観光客、出張サラリーマンなど幅広く、お店の方も家族的で良く働き、感じが良い。さて、いよいよちゃんぽんがやってきた。見た目は通常のちゃんぽんと変わらないが、やたらと美味しい。 まずは炒めた野菜が美味しいことと、スープが美味しい。タン麺を濃厚にした感じ。私はタン麺にはお酢をかけるのが好きなのだが、卓上にはお酢が置いていない。お店の方にお願いしてお酢を頂き、たっぷりかけて食べると、やっぱり合う! スープまで一滴残らず頂いた。丁度女将さんに声をかけられたので、”こんなにおいしいちゃんぽんを食べたのは初めてです。お酢も合うと思いますよ”と話すと、不思議そうにされたが、どうやら大分では、酸味を足すときは柑橘類を使うようだ。厨房内の大将が仕込んでいるレバ刺しもとてもおいしそうだったが、それを食べるとお酒も進みそうで我慢する。
食事をして幸せな気持になったのは、久しぶりだ。また明日も寄ってしまいそうである。
20 18:40
18:53
別府
九日天温泉
別府駅から山側方面を攻める。まずは共同湯九日天温泉だ。コンクリートの簡素な造りだが、浴室内は白いペンキがまだ新しい。透明、無味、何の臭いか?ゴム臭のような臭いが微かにする。54.5度 Na-116,Mg-33.3,Ca-52.1,Fe-2.1,HCO3-536 総計1506mg NaMgCa-HCO3泉である。源泉は湯小屋直下120mとのこと。番台さんの話では、去年掘削したら青色のお湯になり、たまに白濁するとのこと。今日は無色透明だったが、番台さんは”青い湯”を連発していた。
21 19:00
19:20
別府
豊泉荘
大型旅館の豊泉荘は温泉本には緑に囲まれた露天、とあったが、案内されたのは内湯のみの大浴場であった。湯口は褐色に染まっていたが、無味、無臭、透明の個性のない単純泉であり、記憶薄。
別府公園周辺はイベント参加者で賑わっている。公園入り口の人だかりを覗くと、皆が画用紙に絵や文字を書いていた。どうやら灯明作りのようだ。野外で使うプラスチックコップに画用紙を巻き、コップに砂を入れて重みを加え、砂に固形ローソクを埋める。ローソクに火をつければ即席灯明の出来上がりだ。公園内は同じように作られた灯明で見事にイルミネーションされて本当に綺麗である。私も恥ずかしながらオリジナル灯明を作り、好きな場所に置いてきた。園内の桜や竹林はうまくライトアップされて幻想的な雰囲気を醸し出している。手作り感が滲み出ているのもまた良い。
22 20:15
20:30
別府
JR九州の宿べっぷ荘
別府駅方面に戻り、大通りに面したべっぷ荘へ立ち寄る。ここは事前情報で少々の期待があったのだが、豊泉荘同様、透明、無味、無臭で個性は感じなかった。確かに内湯は掛け流しで、床も褐色に染まっているのだが・・・。露天に関しては僅かに塩素臭あり。
23 20:45
21:00
別府
駅前高等温泉
今日のラストは駅前の高等温泉である。並湯と高等湯に分かれているが、一般は高等湯のみとのこと。脱衣所が2階部分にあり、階下が浴室。二つの浴槽があり、奥はヌル湯で、湯口なし。どうやら男性浴槽と繋がっているようだ。微白濁、コーヒーのような臭いがした。
一日目は対象外も含めて24箇所となった。約12時間の行動だったので1時間2箇所の計算となる。鉄輪であと2箇所ほど廻るつもりであったが、まずまず予定通りで満足。疲れは感じないが、一つ一つをフィードバックする限界を超えているような気もする。ホテルに戻り、写真とメモを見ながらおさらいをして、明日の予定を改めて練り直す。天気が下り坂なので午前中に足を伸ばした方がよいか・・・。と考えながら知らぬ間に眠りにつく。