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下界では梅雨に入り、うっとうしい季節です。ところが山では新緑あふれるすがすがしいシーズンの到来。
爽やかで、静かな上高地〜涸沢までをゆっくりと散歩しに行きました。
山行日時 平成12年6月20日〜22日
天 候 曇り時々晴れ
人 数 二人
行 程 6/20 上高地⇒徳沢 (テント泊)
6/21 徳沢⇒横尾⇒涸沢 (涸沢ヒュッテ泊)
6/22 涸沢⇒横尾⇒徳沢⇒上高地
交通アクセス 名神小牧IC⇒小牧Jにて中央自動車道へ
松本ICから上高地方面へ約1時間程で沢渡P
※沢渡Pは広範囲に渡ってあり、各々料金が違います。
※上高地へは釜トンネルより先、一般車通行禁止
留意点(気づいたこと)
・例年のG.W.明け程度の積雪量があり、涸沢より上へは雪山装備・技術
 が必要となりました。
・雪はやわらかくアイゼンは使用せず。
・雪面で反射する紫外線がきついので、日焼け止め・サングラスは必須。
・小連れのサルは大変危険です。むやみに近づいたり、エサを与えたりす
 るのはもっての他です。(サルに限らず)
・徳沢でのキャンプ中、ブヨ?蚊?に100箇所近く刺されました。

※コースタイムの記録が残っていません、あしからず。
1日目 新緑あふれる爽やかな上高地へ
 最終のバスに乗りやってきた上高地は、シーズンの混雑が信じられないくらい静かで、壮大な穂高の景色も一人占めしているようです。しかもすばらしい夕焼けの中、穂高の稜線がくっきりと、溜め息がでるほど美しい姿です。今年は積雪が多く、岳沢もまだ雪の中で上高地のあたりがようやく芽吹いているという状況。山小屋のご主人によれば、10年に一度の大雪だったそうです。
 西穂高の稜線に太陽が落ちていく様を見ながら、足早に徳沢へ向かいました。
 薄暗くなった徳沢キャンプ場で野営(?)していたのは、大きな2頭のサル。彼らに遠慮しながらテントを設営し、薄暗い空に浮かびあがる明神岳を望みながらの夕食。キムチ鍋でお腹を膨らましてから、パンとチーズとワインを頂き、ほろ酔い気分に。こうして、時間や回りに拘束されることなく自由に楽しめるのも、この次期ならではのこと、徳沢一泊でも良いから訪れたいです。

上高地・河童橋から穂高を望む⇒
2日目 残雪多い涸沢
まだ夏道はでていない(本谷橋をこえて)
 朝はサルの群れにテントを囲まれ(?)、何重奏にも聞こえる彼らの声に目が覚めました。恐る恐るテントの外を覗くと、昨日は居なかった子ザルがたくさん。親サルは、私たちのテントの側の木に攀じ登り、木を大きくゆすって威嚇?歓迎?していました。
奥穂をバックに涸沢キャンプ場から 

 天気は残念ながら曇りでしたが、稜線はしっかり見えています。相変わらず登山道ですれ違う人は無く、聞こえるのは小鳥とおサルの声だけ。これが北アルプス??本谷橋を過ぎると所々に雪渓が表れ、スパッツをはこうかアイゼンをつけようか・・・迷いながら結局そのまま突き進みます。思ったよりも雪が残ってないな・・・と登っていましたが、なにがなにが!もちろん、ヒュッテ前の石段もしっかり雪の中でしたが、涸沢ヒュッテより上はまだ一面真っ白、ザイデンの一部(半分)が覗いている程度です。こりゃ、頂上まではいけないや! と、あっさり登頂を断念。久しぶりにヒュッテのスタッフと再会し(彼らも暇なのです)、のんびりくつろがせてもらいました。広い食堂に用意された夕食は、私たち二人だけ。昨晩のキャンプ場に続きこの涸沢ヒュッテでも貸切なのでした・・・。
つり尾根から奥穂高の稜線が美しい
3日目 野生動物との遭遇
 天気予報がハズレ、晴天!!テラスから望む穂高の稜線のすばらしいこと。何時間見ていてもあきません。梅雨時の晴れ間とあって、荷揚げのヘリが槍方面に行ったり、こっちに来たり大忙しです。さすがに昼近くになり霧が出できたので、下山開始。エアマットをザックから取り出し、二人乗りで尻セード。キャーキャー言いながらジェットコースター並みの早さで滑りおりてしましました。
 横尾から徳沢を歩く途中、カーブの先に人間ではない物体!!息が止まるかと思うくらいビックリした。その正体はシカ、 それもめちゃくちゃ大きい。(ビジターセンターなどで展示してある剥製の3倍くらい)恐怖で声が出ませんでした(一瞬、熊かと思ったし)。カメラを用意しようとしたら、逃げていってしまいましたが、その間3秒くらいは見つめ合ってしまった!本当にこれには驚きましたね。でも、熊じゃなくて良かったー!!(アウトドアクラブの店長であるパートナーはさすがに催涙スプレーを携帯して登っていますよ)
 その後興奮の覚めやらぬまま、上高地に戻ってきたのでした。
 人間よりも動物たちとの出会いの方が多かった今回の山行、上高地の別の顔を見た気がしました。
                                                                        (報告者:A)

ナイフショップ:アウトドアクラブ